Knows導入チームインタビュー【瀬戸内高校】田中健二郎監督

■「Knows」のデバイスを導入したきっかけを教えてください。

 本校より先に取り入れているチームもいらっしゃいましたし、安藤正晴前監督が新しいものが好きだったので。導入を決める前に体験で使わせていただいた際に、すぐに明確な数字が出てきて、それを指針にすることができるし、これだったら誤魔化せないだろうということで、2019年から本格的に導入することになりました。

■導入したことでどのようなメリットがありましたか?

 あらゆる項目が数値化されるので選手のコンディョンを把握しやすくなり、試合で交代のカードを切りやすくなりました。今までは「スタミナまだ大丈夫か?」と思いながらズルズルと引き延ばしていたようなケースでも、明確に「交代しよう」と決断できるようになっています。適切なタイミングで交代できるので、連戦が続く際にはチーム全体に余力を残した状態で次戦に臨めるようになりました。

■使用する際はどの数値を重点的に見ているのでしょうか?

 乳酸参考値やスプリントの回数ですね。もちろん個人差があるので基準となるような数値は設けていないですが、データを取って蓄積していけば個々の数値はこちらもある程度、把握できるようになり、コンディショニングに生かせるようになりました。また、我々はボールを握るスタイルを志向しており、細かくポジションを取らないといけないのですが、走行距離のデータを見れば的確なポジションを取り続けているかどうかがより可視化できるようになります。これは明確に差が出ますね。3m~5mのアングルを1つ作るだけでも歩数やステップ数が増えますので、特にセンターバックなど後ろの選手は、動いているかどうかが顕著に分かります。もちろん前線の選手がスプリントしていない場合は分かりやすく出ますし、ポジションによって見る数値や項目は変わってくるんですけど、戦術的な指示の中にこれらの数値を組み込めるので試合の後半に向けて修正がしやすく、非常にありがたく思っています。

■Knowsのデバイスは現状で25台を契約していただいています。他の高校チームに比べて少し多い台数なのですが、どのような使い方をされているのでしょうか?

 試合の時は先発11人プラス控えメンバーの分で20台あれば足りるのですが、シーズン中のトレーニングは1カテゴリーあたり24~25名で行うので、その中でフィールドプレーヤー全員のデータを計測するためにその台数にしています。やはり日常的に使うことに意味があると思っていますし、レギュラーに届かない選手が普段のトレーニングで着用することによって意識が前向きになるというモチベーションアップの効果もあります。また、先発メンバーは前日に伝えるのですが、サブメンバーは当日、ロッカールームに入ってから発表なんですよ。事前にデータを蓄積しておけば、それをもとに選ぶことができるので、その意味でも台数が多いほうがいいと思っています。

■ここまで使ってきて、今は測れていないけど今後こんな数値が測定できたらいいな、と思うものはありますか?

 体の向きというか、どの向きでプレーしてるのか分かればありがたいな、というのは以前コーチと話をしたことがあります。たとえば選手のプレーを切り取った時に、矢印がどちらを向いているのか。全員が同じ方向を向いているのではなく、ボールをもらいに落ちてくる選手、裏を狙う選手、ボールのほうを向いて中間ポジションを取っている選手、相手の視線を引っ張ってくれる選手など、それぞれの狙いが分かるようになってほしい。我々が見ていても2、3人の動きまでしか把握できていないのですが、1つのプレーに4、5人が関わることでポジショナルプレーが成立しているはずなので、それぞれの動きがどうなっているのかが分かると面白いですよね。最新のシステムアップデートにより、スプリント方向が分かるようになり、大変助かっています。そういったチーム側の要望も、適宜対応してもらえるので、チームとしても活用をする上で有難いです。

■最後に今後の目標を教えてください。

 「技術・フィジカル・IQ」を三本柱に掲げているのですが、時間をかけてフィジカルを高めつつ、技術とIQも徹底的に鍛えて、どんどん瀬戸内のサッカーをバージョンアップしていきたいと考えています。冬の全国高等学校サッカー選手権大会を見据え、欲は出さずにコツコツとやっていきたいと思います。応援のほど宜しくお願い致します。

【瀬戸内高校】田中 健二郎監督