Knows導入チームインタビュー【飯塚高校】中辻 喜敬監督
■「Knows」を導入したきっかけと、活用について教えてください。
戦術的ピリオダイゼーションというトレーニング方法でトレーニング していくにあたって絶対に必要なものだということで、2019 年頃に導入し、現在に至っています。トレーニングでも毎回、使ってデータを蓄積していて、絶対に必要なものだというのは日々、感じています。
■トレーニングではどの数値を重点的に見ているのでしょうか?
走行距離、スプリントの回数、ハイインテンシティのパーセンテージと距離、加速回数、最大速度の 6 項目ですね。たとえばハイインテンシ ティは、時速 21km/h 以上のゾーンが、5.5%以上になることを目標にしています。昨年のチームは 4.5%を目指していたのですが、概ね 3%台で 推移していました。今年のチームは現状で 4~4.5%ぐらいですね。もちろん試合は全員が 4%台になるわけではなく、ポジションバランスはあ ります。サイドバックとサイド MF、ボランチの 1 枚は高い数値が出て きます。センターバックは相手の力量による、といったところでしょうか。
■本日のトレーニングマッチでも着用されたそうですね。
うちのフィジカルコーディネーターが他のクラブで他社のデバイスを使っているので、今日は「Knows」と他社デバイスの両方を着けてプレーしました。どのぐらいの誤差が出るのかを試してみたのですが、ほとんど誤差が出なかったので、「Knows」に対する信頼度が今まで以上に高まりました。今日の試合では 90 分間で 110 回のスプリント、ハイインテンシ ティが 6.9%、加速回数が全員で 1437 本、最大速度のアベレージが時速 29.1km/h でした。高強度の割合がかなり多くなってきたと思います。うちのチームの場合、相手に圧勝しても接戦になっても、強度はある程度の数値が出るということが最近、分かってきました。
■ここまで使ってきて、今は測れていないけど今後こんな数値が測定できたらいいな、と思うものはありますか?
私は先ほど挙げた走行距離、ハイインテンシティのパーセンテージと 距離、加速回数、最大速度、スプリントの回数という 6 項目を主に見ているので、新たにこの数値を、というのは今のところないですね。それよりも、現状では加速回数の数値を出す為に、デバイスのアップロード 作業をしなければいけないので、それがリアルタイムですぐに見ること ができればより有効活用できるな、と感じています。
指導する側としては、トレーニングで計測してすぐに数値をアップロードできて、当日の 22 時~23 時ぐらい、もしくは翌朝には選手たちにそのデータを提供したいんですよね。リアルタイムで加速の回数を出すことができれば、す ぐにフィードバックしてあげられるのに、と思っています。トレーニングを見ていて、今日は強度が高かった、低かったとか、加速数が出てい た、出ていなったとか、私自身は感覚的につかめてきているんですよ。 だけど選手たちは感覚では分からないので、実際の数値で見せて認識し てもらう必要があります。それが即座にできるようになったらいいな、 と感じています。
■チームとして目指しているスタイルを教えてください。
ボールを動かすサッカーを目指していますし、攻守にわたって主導権を握るスタイルが理想です。そのために、前進できるところにボールを動かし続けるということを選手たちに伝えています。ボールを握りなが らもラインブレイクをする動きが数多く入ってくるので、スローテンポ にはならないですね。ゆっくりボールを回すサッカーでは、世界の潮流 からどんどん置いていかれてしまいます。ボールを動かしながらもイン テンシティが下がらないスタイルを目指しています。
■2022 年度の第 101 回全国高等学校サッカー選手権大会に初出場するなど、着実に実績を積んでおり、入部希望者も増えていると思います。どのようなパーソナリティの選手に来てほしいと考えていますか?
“懸けている子”ですね。高校サッカーに、ではなく、サッカーそのものに懸けている子。つまり、サッカーが好きな子、サッカーを追求し たい子です。そういう子は絶対にうまくなると思います。もちろん我々 は「Knows」を活用することによって「フィジカル面でこれだけの数値 がある選手は伸びる」というデータを持っています。練習会では参加し てくれた中学生の子たちにも「Knows」のデバイスを着けて練習しても らい、そのデータを参考にしますが、メンタル面で大切にしているのは、サッカーが好きかどうか。6 歳ぐらいの少年の心を持ち続けているかどうかです。
【飯塚高校】中辻 喜敬監督